30代になると仕事の基礎を身につけて一通りこなせるようになり、自分なりのスタイルも確立してきます
しかしその一方で「このままでいいのだろうか」と将来への不安や仕事への行き詰まりを感じる年齢でもあります
- 同じ仕事の繰り返しでマンネリ化している
- リーダー的役割を求められる場面も増えプレッシャーがある
- 後輩指導やマネジメント業務も増えてきた
こうした20代にはなかった仕事内容の変化が重なることで、仕事へのモチベーションが揺らぎやすくなります
私自身も30代で仕事内容の変化を非常に感じて、「このままでいいのだろうか」という不安を乗り越えるための手段として転職を選びました
この記事では、私の実体験を交えながら30代で仕事に行き詰まる理由と不安を解消するための具体的な対策。そして一つの選択肢としての転職について解説していきます
現状を変える一歩を踏み出すヒントになれば嬉しいです
30代が仕事に行き詰まるのは自然なこと

30代で仕事に行き詰まるのは、とても自然なことです。むしろ、それだけ仕事に真剣に向き合っている証拠といえます
30代になるとこれまでの経験から一通りの仕事をこなせるようになり、職場での立ち位置や将来のキャリアが少しずつ見え始めます
すると「このままでいいのだろうか」と冷静に自分の未来を考える機会が増えてきます
ここでは、仕事に行き詰まる4つの原因について深堀りをしていきます
この先の将来が見え始めてきている
30代になると自分の将来像がはっきりと見え始めるため、仕事に行き詰まりを感じやすくなります
長く働き続けると職場の現実が具体的に見えてくるからです。上司の年収や役職、部署の環境、平均年齢、ポストの空き状況などを冷静に分析できるようになります
例えば直属の上司の年齢や役職、年収を目の当たりにすると「自分も数年後にはこの立場になるのだろう」と想像できます
そのときに「果たしてこの人生設計で満足できるのか」と自問自答するようになります
このように将来の姿が現実的に見えてくるからこそ「今の仕事を続けていていいのか」という迷いが生まれ、行き詰まりを感じるのは自然なことです
仕事に慣れてマンネリ化になっている
30代で仕事がマンネリ化し、行き詰まりを感じるのは自然なことです
30代になると一通りの業務を自分なりに効率よくこなせるようになり、社内調整や案件の進め方も身につきます
つまり、仕事のコツを掴んでしまうからです
例えば、案件を進める際に「誰にどう確認を取れば通るのか」と社内調整ばかりに目がいき、本来の顧客や取引先への営業よりも社内対応が中心になってしまうことがあります
こうした状況では、新しい刺激や学びが減り、自分の成長を感じられなくなります
独り立ちして業務をこなせるのは素晴らしいことですが、挑戦意欲を失いやすく「このままでいいのか」と迷うのも自然な流れです
マンネリ化は成長の裏返しであり、次のステップを考えるサインともいえます
自分のやりたいことと会社から求められることのギャップ
30代で仕事に行き詰まりを感じるのが「自分のやりたいこと」と「会社から求められること」のギャップです
30代になると、いちプレイヤーとしてだけでなく、後輩の育成やチームをまとめるリーダー的役割を期待されるようになります
なぜなら今の40代・50代がいずれ退職していき、自分がその立場を引き継いでいくことになるからです
リーダーを任されるということは、重要な案件の決断や組織の舵取りを担うという重要な役目となります。しかし、全員がリーダー的存在になることを望んでいるわけではありません
後輩のマネジメントには興味がなく、現場でプレイヤーとして成果を出し続けることにやりがいを感じる人も多いはずです
そのため、会社の期待と自分の理想との間にギャップが生まれるのは自然なことです。このズレこそが、30代で仕事に行き詰まりを感じやすい原因の一つといえます
同僚社員との仕事の価値観が合わなくなる
30代になると同僚社員との仕事の価値観が合わないと感じることが増え、仕事の行き詰まりを感じやすくなります
それは自分自身が一通りの仕事をこなせるようになり、冷静に周囲の状況を分析できるようになるからです
入社直後は仕事を覚えるのに必死で周囲との差を気にしませんが、独り立ちした30代では自然と周囲との比較や違和感を抱くようになります
例えば会社の目標達成に向けて全力で工夫し行動しても、周囲の社員が現状維持を優先し「毎月の給料さえもらえればいい」という姿勢だと温度差を強く感じます
その結果、自分だけが孤立しているように思い同僚と価値観が合わないと悩むきっかけになります
これは本当に仕事に真剣に取り組んでいる人ほど陥りやすい状況であり、周囲があなたのレベルについていけなくなっている証拠ともいえます
そう感じるのは自然なことですし、むしろ「これから尊敬できる仲間と働ける環境を探すフェーズに入った」と前向きに捉えておきましょう
30代が仕事の行き詰まるのは職場環境の影響も大きい

30代で仕事に行き詰まりを感じるのは、職場環境が引き金になっている場合も多いです
評価・昇格の仕組み、責任の増加、残業時間の増加など個人では変えにくい要因が重なりやすいからです
具体的には、①給与・待遇の不一致、②役割の拡大による負荷、③会社方針と価値観のズレ、④学びや挑戦機会の不足が挙げられます
ここでは、職場環境がもたらす4つの原因を深掘りしていきます
給与や待遇面が満足な水準ではない
30代で仕事に行き詰まりを感じる大きな理由の一つが給与や待遇への不満です
30代になると売上規模の大きなクライアントを任されたり、後輩の育成を担ったりと責任ある役割を任されるようになります
その一方で、自分自身の働きに対する報酬が責任の重さに見合っているのかどうか、疑問に感じる場面も少なくありません
例えば年功序列の強い職場では、成果を出しても給与は大きく変わらないことがあります
「これだけ成果を出しているのに、周囲と年収が変わらない」と気づいた瞬間に、モチベーションは下がり、仕事に行き詰まりを感じやすくなります
つまり、待遇面の不満から行き詰まりを感じるのは自然なことです。もしその思いが強いのであれば「成果を正当に評価してくれる職場」に転職することも一つの選択肢です
残業時間が多く自分の時間を持てない
30代になると責任が増えるのに比例して残業時間も増え、自分の時間を持てないことが仕事の行き詰まりにつながります
後輩の育成や指導を任されると、仕事の進め方を教えたりトラブル対応に時間を割いたりする必要があります。その結果、自分の業務が後回しになり集中できず残業が増えてしまうからです
例えば、後輩がトラブルを起こした場合には、育成や指導の役割を任せている自分も一緒に処理をする必要があります
もしマネジメント自体にやりがいを感じる人なら成長の機会になりますが「プレイヤーとして成果を出し続けたい」と考える人にとっては負担が大きく感じます
ときには帰宅して寝るだけの生活が続くかもしれません。ふとした瞬間に「これが本当に自分のやりたいことなのか」と疑問を抱きやすくなります
もし「やりたいこと」と「働き方」のバランスが取れていないと感じるなら、新しい職場環境を探すタイミングにきているのかもしれません
会社の方針と自分の価値観が合わなくなる
30代で仕事に行き詰まりを感じる理由の一つが会社の方針と自分の価値観のズレです
もっとチャレンジングなことに挑戦して成長したいと思っていても、会社が規模拡大や新しい取り組みに前向きでなければ個人の努力だけでは実現できません
サラリーマンである以上は、会社の方針に従わざるを得ないからです。それが現実です
例えば新規顧客を開拓したいと思っても、会社が「既存顧客へのアプローチだけで十分」という方針であれば、新しい販売ルートを作ることは難しくなります
このように会社の方針と自分のやりたいことの溝が深まるほど、仕事に行き詰まりを感じやすくなります
もし会社の方針と価値観が合わないと感じるなら、それは新しい環境を探すタイミングにきているサインかもしれません
自分が本当にやりたいことを叶えられる職場を見つけるために、外の世界を見る行動を始めてもよいと思います
今の会社でキャリアの選択肢がない
キャリアの選択肢が見えないと30代で仕事に行き詰まりを感じやすくなります
昇格を目指せる役職や挑戦できる部署があれば成長の道筋を描けますが、それがない場合は将来のキャリア像を描けなくなるからです
特に40代・50代で新しい経験を積むのは一から勉強することを含めて体力的にも難しく、30代がキャリアの幅を広げる最後のチャンスともいえます
例えばやりたい仕事が今の部署にあったとしても、他部署での経験を積むことでよりスキルを活かせることがあります
そうした選択肢がある環境ならやりがいを持ち続けられます
しかし逆に部署異動や昇格の可能性が全く見えない場合、成長の機会が閉ざされてしまい自然と行き詰まりを感じてしまいます
もし今の職場に自分のやりたいことがなく、今後も見つかる可能性が低いと感じるなら、それは環境を変えるサインです
本当にやりたい仕事を実現できる場を求めて、外の世界に目を向けてみることも有効な選択肢です
30代の転職でおすすめの転職サイトと転職エージェント

ここでは、私自身が実際に登録・利用した中から30代で初めて転職する方にも使いやすい転職サイトと転職エージェントをご紹介します
転職サイトと転職エージェントの両方を調べながら、外の世界に目を向けてみるうえで、ぜひ参考にしてみてください
リクナビNEXT|幅広い求人が見られる日本最大の転職サイト

おすすめ度:★★★★★
求人数:1,157,000件以上(2025年9月現在)
特徴:業界最大規模の転職サイトで履歴書・職務経歴書を作成できる無料ツールや自己分析機能も充実
『リクナビNEXT』は、30代で初めて転職を始める方にとって登録をしておくべきおすすめの転職サイトです
その理由としては、求人数が国内最大級であり自分に合った求人を探しやすい環境が整っているためです
さらに、履歴書や職務経歴書の作成をサポートする無料ツールや「グッドポイント診断」などの自己分析機能も充実しています
実際に転職者の8割がリクナビNEXTを利用しており、多くの人がこのサイトを通じて自分に合う企業と出会っています
ただし、リクナビNEXTは転職エージェントのような面接対策やキャリア相談といったサポートは受けられない点には注意が必要です
活用方法としては、まずリクナビNEXTに登録して求人情報を幅広く収集し、その情報をもとに転職エージェントのサポートを受けながら転職活動を進めるのも一つの有効な方法です
Green(グリーン)|IT・Web業界特化型の転職サイト

おすすめ度:★★★★☆
求人数:30,000件以上
特徴:IT・Web業界を転職したい方は登録が外せない転職サイト
『Green(グリーン)』は、IT・Web業界を中心に、幅広い求人を扱う転職サイトです。
大手企業からベンチャー企業まで数多くの求人を掲載しており、エンジニアやWebデザイナー、マーケター、営業職など多彩な職種に対応しています
Greenの最大の特徴は、企業と求職者が互いにアクションできる仕組みにあります
企業から直接スカウトが届くのはもちろん、求職者も「気になる」ボタンで気軽にアプローチ可能
カジュアル面談を通じて企業の雰囲気や働き方を知ることができるため、入社後のミスマッチを防ぐことにもつながります
実際に、利用者の約60%がスカウトをきっかけに転職を成功させています
さらに、サイト内データを活用したレコメンド機能により、自分に合った求人と出会いやすいのも魅力です
掲載企業自身が情報を更新しているため、よりリアルで最新の情報を得られる点も安心できます
取り扱う業界はIT・Webだけでなく、通信・インターネット、エンタメ、サービス、メーカー、コンサル、金融、不動産など多岐にわたります
職種もエンジニアやクリエイティブ職から営業、バックオフィス、経営層、専門職まで幅広いラインナップです
20代〜30代を中心に、IT業界でのキャリアアップを目指す人には特におすすめの転職サイトです
JACリクルートメント|ハイクラス・ミドルクラスに強みの転職エージェント

おすすめ度:★★★★★
求人数:22,670件(2025年9月現在)
特徴:外資系企業、日系大手、メガベンチャーなどハイクラス求人を強みとする転職エージェント
JACリクルートメントは、外資系・日系大手・メガベンチャーなど、ハイクラスやミドルクラスの転職を目指す方におすすめの転職エージェントです
ハイクラス層に特化した質の高い求人を保有しており、エージェントのサポートも丁寧で信頼感があります
実際に私も利用し、中小企業メーカーから日系大手メーカーへの転職に成功しました
その結果、年収は150万円アップし、キャリアの幅が大きく広がりました
登録前は「ハイクラス」という言葉に尻込みしましたが、実際には自分のキャリア経験に合った求人を丁寧に紹介してもらえました
一方で、JACリクルートメントは求人の「量」より「質」を重視している印象があります
そのため、多数の求人を紹介してもらい比較したい人には物足りなく感じるかもしれません
「ハイクラス=敷居が高い」と思っている方でも登録は無料です。まずは面談を受けてみることで、自分の市場価値を把握し、思いがけない求人に出会える可能性があります
私自身の詳しい体験談について、「30代未経験転職|JACリクルートメントを利用して年収150万円アップした方法」という記事でまとめています。あわせて参考にしてみてください
sincereed(シンシアード)|大手企業のハイクラスポジションに特化した転職エージェント

おすすめ度:★★★★☆
求人数:2,400件以上
特徴:大手企業のハイクラスポジションに特化した転職エージェント
『sincereed』は、大手企業やIT・WEB系のDX人材などのハイクラス転職を目指す方におすすめの転職エージェントです
サントリー、NTTデータ、豊田通商、DENSOといった大手人気企業の求人に加え、シンシアード独自の非公開ポジションを保有している点も大きな強みです
他では出会えない、魅力的な求人に出会えるチャンスがあります
さらにリクルート出身の経験豊富なコンサルタントが多数在籍しており、企業と求職者の両方を一貫して担当する両面型だからこそ、質の高い転職サポートを受けられます
「今よりもっとやりがいのある環境に行きたい」「大手企業でキャリアを磨きたい」そんな方には、シンシアードへの登録と面談をしてみることをおすすめします
キャリアチケット|成長企業特化型転職エージェントサービス

おすすめ度:★★★★☆
求人数:非公開
特徴:成長企業特化型転職エージェントサービス
『キャリアチケット転職エージェント』は、レバレジーズ株式会社が運営する転職エージェントです
25〜35歳の成長意欲あふれる若手人材に特化し、企業と直接つながるダイレクトリクルーティング型を採用しています
目先の転職活動だけでなく、中長期的なキャリア形成までサポートしてくれる点も大きな魅力です
「これからどんなスキルを身につけたいか」「どんなキャリアを歩みたいか」といった理想像の言語化を一緒に考え、伴走してくれるパートナーとして心強い存在になってくれます
Geekly(ギークリー)|ITベンチャー企業の求人に特化した転職エージェント

おすすめ度:★★★★☆
求人数:39,000件以上(2025年9月現在)
特徴:ITベンチャー企業の求人に特化した転職エージェント
『Geekly』は、IT・Web・ゲーム業界に特化した転職エージェントです。IT業界やベンチャー企業への転職を目指す人には最適なサービスです
IT・ゲーム・Web・eスポーツ業界など、専門性の高い非公開求人を多数保有しているのが強みです
エンジニアやデザイナーだけでなく、IT企業の営業職・マーケ職・管理部門などの求人も豊富なため、技術職以外の方にもチャンスがあります
Geeklyは、IT・Web・ゲーム業界を志望する人にとって心強い味方です。未経験でも条件交渉を支援してくれるため、年収アップや理想の働き方を実現したい人に特におすすめです
30代が仕事に行き詰まるのは自分自身にも原因がある

30代で仕事に行き詰まりを感じるのは、職場環境だけでなく自分自身の考え方や行動が影響している場合もあります
無意識のうちに取っている思考や行動のクセが、仕事へのモチベーション低下や停滞感を生み出してしまうからです
例えば、①努力の方向性が間違っている、②他責思考、③仕事の質より量を重視する、④年齢の近い人とばかり関わり視野が狭くなるといった点が挙げられます
つまり、自分の思考や行動を振り返ることも、行き詰まりを乗り越えるための第一歩です。ここでは、個人が引き起こす4つの原因について深掘りしていきます
努力の方向性が間違っている
成果につながらない努力を続けると仕事へのモチベーションが下がり、仕事の行き詰まりを自分で生み出してしまいます
「頑張り続ければいつか実るはず」という思い込みが強いと成果が出ない原因や出た理由を検証せず、同じやり方を繰り返してしまうからです
方向がズレた努力をしていては、たとえ量を増やしたとしても遠回りになるだけです
例えばうまくいった事例だけに注目して「とにかく続ければ成果が上がる」と考え、仮説検証や改善点の洗い出しをしないまま同じ施策を繰り返すケースです
結果として、時間も労力も投じたのに成果が伸びず、停滞感だけが残ります
今の努力が「これからやりたい仕事」や「これからありたい自分の姿」につながっているかを定期的に確認しましょう
目的と指標を決めて「続ける/変える/やめる」を判断できる状態にすることが行き詰まりから抜け出す方法です
他責思考になってしまっている
仕事の行き詰まりの原因の一つに他責思考があります。周囲や環境のせいにしてしまうことで、自分自身の成長や改善のチャンスを失ってしまいます
誰かや何かのせいにするのは気持ち的に楽ですが、その分だけ自分で状況を変える行動を取らなくなります。その結果、問題の根本が放置され行き詰まりを長引かせてしまいます
例えば「成果が出ないのは他部署が対応してくれないから」「周囲のバックアップが足りないから」と考えてしまうケースです
しかしよく考えると自分自身が主体的に動いていないことが原因になっている場合もあります
周囲がやっているから自分も同じことをする、指示されたからやる。こうした姿勢では当たり前ですが成果は出ません
仕事の行き詰まりを抜け出すには、まず「自分は本当に主体的に考えて動いているか」を振り返ることが大切です
他責思考をやめるだけで、改善への一歩を踏み出せるようになります
仕事の質ではなく量を重視してしまっている
仕事の量ばかりにこだわり質を後回しにしてしまうことは、30代で行き詰まりを感じる大きな要因になります
20代では仕事に慣れるために「数をこなすこと」を重視することは未だ許されます
しかし、30代になると上司や会社が評価するのは「どれだけ努力したか」ではなく「どんな成果を残したか」に変わるからです
例えば一人で業務を問題なくこなせるようになっても、ただ仕事の量をこなすだけでは評価につながるとは限らず、これから昇格するために求められるのは「成果の質」です
それにもかかわらず量ばかりを意識していると、自分だけが報われていないように感じたり、周囲から取り残されていると感じやすくなります
量をこなすことは大切ですが、それ以上に「質」を意識することが必要です
成果につながらない量だけの仕事を続けていないかを振り返り、30代としての考え方や行動を見直すことが行き詰まりを解消する第一歩になります
年齢の近い人と絡んでばかりいる
30代で仕事に行き詰まりを感じる要因の一つが「年齢の近い人とばかり関わっていること」です
20代のうちは同世代と助け合いながら成長することが大切ですが、30代になると会社の中心的な役割を担う立場になります。それに伴い、関わる人間関係も変えていく必要があるからです
例えば今の上司が将来役員となれば、その上司と調整を行う立場になるのは自分自身かもしれません
そうした将来を見据えると、日頃から上層部との関わりを意識して仕事に取り組むことが大切です
逆に、20代と同じように同世代だけと関わっていると成果を出していても評価されにくく、仕事に行き詰まる原因になります
決して「上層部に媚を売れ」ということではありません。年齢とともに役割が変わる以上、関わる人間関係も自分なりに意識して広げることが重要ということです
それが仕事の行き詰まりを改善するための一つの策になります
30代が仕事の行き詰まりを放置しておくリスク

30代で仕事の行き詰まりを感じても対策を取らないまま放置すると大きなリスクにつながります
30代はキャリアの分岐点であり、改善の行動を起こさなければ成長の機会を逃したり将来の選択肢を狭めてしまうからです
例えば、不満や停滞感を抱えたまま働き続ければ、仕事へのモチベーションが下がり本来出せる成果も出せなくなります
その結果、評価や昇進のチャンスを失ったり、心身の不調につながる恐れもあります
さらに転職を考えたときに「実績が残っていない」「挑戦経験が少ない」となれば、新しい環境へ移るハードルも高くなってしまいます
つまり、行き詰まりを感じながら何もせずに過ごすことは、将来のキャリアや人生設計に大きな影響を及ぼします。早めに行動を起こすことが、リスクを回避する一番の対策です
仕事へのモチベーションが下がる
まず仕事の行き詰まりを放置すると、仕事へのモチベーションが大きく低下してしまいます
どれだけ成果を上げて評価されても、自分のやりたいことや満足感を得られなければ「これが普通」と諦めてしまい、現状維持のマインドに変わっていくからです
特に将来が見えてしまい「上司の姿が自分の未来」と感じた瞬間に、頑張る意味を見失いやすくなります
例えば本来は「仕事を通じてこうなりたい」という理想像に向かって努力すべきなのに、環境が変わらないと分かると行動を起こす気力がなくなってしまいます
その状態が続けば、せっかくの情熱や成長のチャンスを自ら手放してしまうことになります
まずは自分の考えや行動で環境を変える努力をすることが大切です
そのうえで、それでも改善できず「やれることはやり尽くした」と思うなら、新しい職場を探し、熱量を投じられる環境を探し、移ることがこれからの選択肢になります
転職市場での自分の市場価値が下がる
仕事の行き詰まりから成果を出すことを諦め、現状維持のマインドに陥ると転職市場での自分の市場価値が下がってしまいます
転職市場でまず評価されるのは「過去にどんな成果を出してきたか」です
そして、その積み上げをもとに「新しい職場環境でどんな価値を提供できるか」をしっかりとした根拠づけをして理解してもらわなければ、採用の判断は厳しくなります
例えば、数年前には積極的にアクションを起こして成果を残していたとしても、直近では「どうせ変わらない」と現状維持に甘んじ何の成果も出していない状態だとします
この場合、職務経歴書や面接で過去の数年前の実績を語れても「今の実力はどうなのか」が語れず、市場価値は低く評価されることにつながりかねません
つまり、仕事の行き詰まりから成果を出すことを諦め、現状維持のマインドに陥ると将来の選択肢を狭めるリスクにつながります
転職市場での価値を維持・向上させるためにも、常に成果を意識し、成長の証を積み重ねていくことが大切です
将来的に希望早期退職者の対象になるリスクがある
仕事の行き詰まりを放置し、現状維持のまま過ごしていると将来的に希望退職の対象になるリスクがあります
日本を代表する大手企業ですら黒字のまま大規模なリストラや希望退職募集を行っています
終身雇用や年功序列に頼れない時代に、成果を出せずに停滞している社員は真っ先にリストの対象になりやすいと言えます
実際に
パナソニックホールディングス(HD)が約1万人の人員削減に踏み切る。
出展|日本経済新聞
パナソニックHD、「黒字でも1万人削減」が映す多難のグループ改革
NIPPON EXPRESSホールディングス(NXHD)は18日、傘下の日本通運で55歳以上の社員を対象に希望退職者を300人程度募集すると発表した。
出展|日本経済新聞
日本通運が希望退職300人募集、55歳以上 組織活性化狙う
「自分は大手企業ではないから関係ない」と思うかもしれませんが、転職が当たり前となり人材流動化が進む今、どの企業でも起こり得ることです
自分の会社にも転職してきた人が入社し、バリバリ働いて成果を残している姿を横目に見て仕事をしながら「自分が希望退職者のリストには絶対のらない」と自信を持って言えるでしょうか
行き詰まりを抱えたまま働き続けるのは、将来のリスクを先送りしているだけです
後々、後悔しないためにも今のうちに仕事の行き詰まりの根本原因を分析し、改善の行動を取りながら成果を積み重ねていくことが大切です
30代が仕事の行き詰まりを乗り越えるための対策

ここまで仕事の行き詰まりの原因や放置することによるリスクを解説してきました。次に大切なのは、それをどう乗り越えるかという「具体的な対策」です
原因やリスクを理解しても、実際に行動に移さなければ状況は変わりません。対策を知り、実践することで初めて行き詰まりを解消し、キャリアの選択肢を広げることができます
例えば「原因はわかったけれど、何から始めればいいかわからない」「今の働き方を変えたいが方法が見えない」と感じている方も多いはずです
そんな方に向けて、ここからは実際に役立つ対策を整理して紹介します
仕事が行き詰まっている根本原因を自分なりに分析する
まずは仕事の行き詰まりの根本原因を自分の言葉で書き出して分析することから始めていきます
仕事が行き詰まっている原因が曖昧なままだと適切な対策を取ることができず、行動にも移すことができないからです
例えば行き詰まりの原因が
- 職場環境(評価制度・会社方針・長時間労働・人間関係)
- 自分の仕事の向き合い方(努力の方向性・他責思考・量先行・関係の狭さ)
のどちらにあるかで、取るべき行動は大きく変わります
おすすめは自分なりに状況を整理するために書き出してみる方法です
- 事実:仕事の行き詰まりを感じる根本原因
- 感情:その原因から自分がどう感じているか
- 理由:なぜそれが根本原因だと思うのか
このように書き出して整理することで、次に取るべき行動が見えてきます
中には自分では変えられない要因も出てくると思います。しかし、それも一つの根本原因として認識すれば、次に考えるべき「打ち手」が見えてきます
大切なのは、原因をはっきりさせて前に進むきっかけを作ることです
社内の部署異動の希望を出してみる
仕事の行き詰まりの原因が職場環境にある場合、部署異動を希望してみることは有効な解消策の一つです
今の部署では発揮できなかった力も、別の部署に移ることで新しい能力や適性が活かせる可能性があるからです
環境を変えるだけで、仕事へのモチベーションややりがいが大きく変わるきっかけになることもあります
例えば、営業職として成果を上げてきた人が「商品開発にも挑戦したい」と希望を出し、異動が叶ったとします
その結果、自分が今まで経験を積んできた営業職の強みを活かしながら新しい分野に挑戦でき、以前よりも仕事へのやりがいを感じるケースもあると思います
まずは職場内で環境を変えることができないかを考えてみてください。部署異動の希望を出すことは、仕事の行き詰まりを解消するための一歩の手段になり得ます
転職活動をする
今の職場に希望する部署がなく将来のキャリアの道筋も見えないのであれば、転職活動を始めるタイミングにきています
社内でやりたい仕事がない場合、その環境に留まっても仕事への行き詰まりは解消されにくく、状況が大きく改善する可能性も低いからです
例えば、営業職を軸に異なる業界や分野へ挑戦する転職活動を始めたとします
外の世界に一歩踏み出すことで「こんな仕事のやり方があるのか」「こういう分野も面白そうだ」と新しい発見があり、自分のキャリアの選択肢が一気に広がります
逆に一つの会社に長く留まり続けると新鮮さを失い「この仕事を一生続けるのか」と迷いを抱えやすくなります
もし今の職場で希望が持てず、ルーティン化した働き方を変えたいと思っているなら、それは転職活動を始めるサインです
新しい環境に踏み出すことで、自分の可能性をさらに広げることができます
30代での仕事の行き詰まりを乗り越える!転職活動の進め方

仕事の行き詰まりを解消するための有効な手段の一つが、転職活動を始めることです
社内で希望する部署がなく、将来のキャリア像が描けないまま働き続けても、行き詰まりが解消される可能性は低いからです
私自身も前職では行きたい部署がなく「このまま続けてもキャリアの先が見えない」と感じていました
そこで転職活動を始めたことで新しい環境に出会い、自分が目指したいキャリア像を見つけることができました
ここからは、私の実体験をもとに30代での転職活動の進め方を解説していきます。仕事の行き詰まりを乗り越える一つの手段として、ぜひ参考にしてください
事前に転職する目的やスケジュールを組み立てる
転職活動を始める前に大切なのは、転職の目的とスケジュールを明確に組み立てることです
これを決めずに闇雲に動いてしまうと「結局なんのために転職するのか」がわからないまま時間と労力だけを消耗してしまうからです
例えば「今よりも成果に応じて適正に評価される環境に行きたい」といったように、目的はできるだけ具体的に設定しましょう
さらに「◯月までに転職活動を終える」「◯月に退職する」といったスケジュールを事前に考えておくことも転職活動のモチベーションを切らさないコツです
転職の目的とスケジュールを最初に明確にしておくことが、失敗しない転職活動の第一歩です。進め方の詳細については、以下の記事でも解説していますので、あわせて参考にしてください
事前に履歴書・職務経歴書を作成する
転職活動を始める前に履歴書や職務経歴書を事前に作成しておくことが大切です
白紙の状態からフォーマットを探し、項目を埋めていく作業は想像以上に時間がかかります
準備不足のまま転職活動を始めると、求人情報に気を取られて書類作成が後回しになり、最悪の場合は求人を見ただけで満足して終わってしまうこともあるからです
例えば「良い求人を見つけたのに、履歴書や職務経歴書が準備できておらず応募期限に間に合わなかった」ということも起こります
あらかじめ自分なりにフォーマットを調べ、まずは書き始めてみることが転職活動をスムーズに進めるうえで大切です
転職活動を成功させるには、目的やスケジュールを立てることに加え、履歴書・職務経歴書を事前に準備しておくことが欠かせません
書き方の詳細については以下の記事でも解説していますので、ぜひ参考にしてください
転職エージェントとキャリア面談をする
初めて転職活動をする方は、転職エージェントに登録しキャリア面談を受けることを強くおすすめします
転職活動の目的やスケジュール、準備した履歴書・職務経歴書が「本当にこれで良いのか」をプロの視点で確認してもらえるからです
例えば、自分では「営業職を続けたい」と考えていてたとします
しかし、エージェントから「あなたの強みは分析力なので、企画やマーケティングの方が適性があります」と助言を受け、新たなキャリアの可能性に気づけるケースもあります
このように、自分一人では思いつかない方向性に導いてもらえることも転職エージェントを利用する大きなメリットです
初めての転職活動だからこそ、プロの知見を取り入れることが成功への近道です。転職エージェントとのキャリア面談は必ず活用していきましょう
活用のコツについては、以下の記事で詳しく解説していますので、あわせて参考にしてください
転職エージェントに書類の添削・面接対策を依頼する
応募したい求人が見つかったら、転職エージェントに履歴書・職務経歴書の添削や面接対策を依頼しましょう
転職エージェントは、あなたが企業に転職することで企業から成果報酬を受け取るビジネスモデルで成り立っています
そのため、選考に通過してもらうことがエージェントにとっても利益となるため、書類添削や面接対策のサポートは非常に手厚くしてもらえます
例えば、転職エージェントは応募企業の理念や社風、求める人物像といった「一次情報」を持っています
その情報をもとに書類をブラッシュアップしたり、想定質問を踏まえた面接対策を行うことで、選考通過率は大きく高まめることができます
お互いに利害が一致しているからこそ、転職エージェントを活用しないのはもったいないことです
キャリア面談が終わり、応募先が決まった段階で必ずサポートを依頼しましょう
また、多くの方が苦手とする面接対策の詳細は以下の記事でも解説していますので、あわせて参考にしてください
内定承諾をした後、退職までの準備をしっかりする
理想とする企業から内定を承諾した後は、退職までの準備を計画的に進めることが大切です
転職活動に気を取られがちですが、実際には退職日までにやるべきことは数多くあります
社内での引き継ぎや退職の報告、取引先への案内などを怠ると円満退社が難しくなり、後味の悪い形で会社を去ることになりかねないからです
例えば有給休暇を消化したい場合には、その分を考慮して逆算して「◯月までに引き継ぎを完了する」「◯日までに退職の案内をする」といった具体的なスケジュールを組む必要があります
自分は会社を去っても、残る同僚が働きやすいように環境を整えて退職する方が自分にとっても気持ちよく退職の日を迎えることができます
円満退社の準備をしっかり整えることで、新しい環境に気持ちよく踏み出すことができます
とはいえ「自分から退職を言い出すのが難しい」という方もいると思います
その場合は退職代行サービスを活用する選択肢もありますので、詳細は以下の記事でまとめています。参考にしてみてください
まとめ
30代で仕事に行き詰まることは、決して特別なことではなく自然なことです
20代のようにがむしゃらに働くだけでなく、一通りの業務をこなせるようになり余裕も生まれることで、周囲や将来の自分の姿を冷静に考えられる年齢だからです
その結果「このままでいいのだろうか」と悩むのは、ごく自然な流れです
今は終身雇用や年功序列が崩れ、成果に応じて報酬を支払う企業も増えています。つまり、一つの会社に定年まで勤め続けるのが当たり前という時代ではなくなりつつあります
だからこそ、行き詰まりを感じながらも改善を試みる姿勢は、これからの時代を上手に渡り歩く上で必要な能力だと考えます
転職も一般的になった今、一つの会社に縛られる必要はありません。外の世界に目を向け、自分に合った環境を見つけることを恐れないで欲しいです
仕事に行き詰まっても、前を向いて一歩を踏み出せば必ず新しい道が開けます
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