- 転職活動をする前に転職の軸は本当に作る必要ある?
- 転職の軸ってそもそもどういう意味?
- 転職の軸を簡単に作れる方法を教えて欲しい
という疑問にお答えします
転職活動する前に「まずは転職の軸から作りましょう」と聞くことが多いと思います
それでは、なぜ転職活動する前に転職の軸を必要があるのでしょうか?
結論から言うと、自分が転職で叶えたい姿の条件を明確するためです
転職で叶えたい条件は「年収?仕事内容?職場環境?…」人によって求める条件は様々です
この記事では、自分が転職で叶えたい条件を明確にできる転職の軸の作り方を解説していきます
さらに、整理した転職の軸はアウトプットの場として、転職のプロである転職エージェントに見てもらうことで、より客観的にブラッシュアップすることも可能です
ぜひこの記事を通じて、転職で本当に叶えたい自分の姿とは何かを考えてみてください
転職の軸について整理

まずここでは、転職の軸はいったいどういうものなのか整理をしていきます
転職の軸を作ることの必要性
転職の軸を作ることは、自分が叶えたい姿の条件に合った企業を選ぶために欠かせないものです
転職の軸を考えるときは、転職前と転職後を比較しながら整理すると作りやすくなります

このように、私は転職活動を始める前に、転職で叶えたい条件を言語化して書き出していました
事前に転職の軸を明確にしておくことで、応募する企業を絞り込めます
企業が絞れると、職務経歴書の作成や面接対策も効率的に進められた実感があります
そういった点でも、転職の軸を転職活動を始める前に作成しておくことはとても重要です
転職の軸と転職の理由の違い
転職の軸の作り方や必要性は理解したけど、転職の理由と何が違うのかと思うかもしれません
転職の理由とは、転職で自分が実現したいこと、つまり転職の目的です
転職の理由は、転職の軸と同様に転職前と転職後を比較しながら整理すると作りやすくなります

このように、転職の軸と同様に言語化して書き出していました
転職の理由には、自分の努力だけでは解決できないことが多く含まれます
なので、今の会社を変えてより理想の環境を求めることが、転職理由になります
そういった点でも、転職の軸とあわせて転職の理由を考えることがとても重要です
転職の軸と転職の理由を作った後に役に立つ場面
転職の軸と転職の理由を作った後、これが実際に何の役に立つのかと疑問に思うかもしれません
主に役に立つ場面は以下の3つです
- 応募する企業の取捨選択|応募する企業のミスマッチを防げる
- 職務経歴書の作成|応募する企業にマッチした内容を書ける
- 面接対策|応募する企業が求めている人材とマッチしやすい
特に自分と企業とのミスマッチを防げるという点は大きく、結果的に選考の通過率も上がりやすくなります
転職の軸と理由をあらかじめ整理しておけば、企業選びの精度が高まります
応募する企業との相性が良ければ入社後に活躍できる可能性も高まり、長く働き続けることにもつながります
このように、転職の軸と転職の理由を事前に作っておくことは、転職活動全般を支える大きな武器になります
体験談|転職の軸の作り方をご紹介

ここからは、私が実際に取り組んでいた転職の軸の作り方をご紹介します
転職の軸|地図のようなイメージで作る
私は、地図をイメージしながら4つのステップに分けて転職の軸を作っていました
転職の軸を作るステップは以下の4つです
- 今の現在地を確認する|今の仕事内容・労働環境を整理・把握
- 現在地から行きたい目的地を決める|自分の叶えたい姿の状況(=転職の軸)
- 目的地に向かって歩き出す|理想にマッチする企業を探す
- 目的にたどり着けるか地図をチェックする|振り返りをしながらひたすらに行動する
これらはステップごとに言語化し、書き出して整理することが大切です
書き出す方法は、Excel・Word・PowerPoint・スプレッドシート・アプリなど自分が使いやすいツールでOKです
もちろん手書きのほうが整理しやすいという方は、紙に書いても大丈夫です
STEP1|今の現在地を確認する

まずは、今の仕事内容や労働環境、取得している免許・資格といったことを整理します
現在の自分の状況を1〜10の項目に区切って箇条書きにする
以下のように1〜10の項目を区切って箇条書きにすると整理がしやすいです

以下は、当時の私が転職活動を始める前に整理していた内容の一例です
- 勤務地:首都圏
- 職歴:20✕✕年○月 △△△株式会社 営業職で入社
- 年収:600万円(額面金額で記載)
- 就業時間:9:00〜17:30
- 残業時間:30時間/月平均
- 年間休日:123日
- 有給休暇消化率:70%
- 福利厚生:営業手当、時間外手当、住宅手当、
- 免許:運転免許(履歴書に書けるものに限定)
- 資格:日商簿記2級(履歴書に書けるものに限定)
福利厚生については、企業によっては数多くあるかもしれません
ここでは、自分にとって「ありがたかったもの」「今後も必要なもの」だけを厳選して書いてもらえれば大丈夫です
今の仕事内容・労働環境を整理することで転職の軸が見えてくる
改めて今の仕事内容や労働環境を振り返ることで、自分の転職の軸が見えてきます
例えば以下のように、現在の状況と比較しながら転職後に叶えたい条件を考えることができます
- 年収を600万円以上にしたい
- 残業時間を月平均10時間にしたい
- 年間120日以上の休日は維持したい
ここで大切なのは、希望条件を具体的な数字に落とし込み、目で見てわかりやすくすることです
数値化しておけば、求人票にある抽象的な表現に惑わされにくくなります
- 働きやすい環境です
- 成長できる環境です
- 有給休暇が取得しやすい環境です
こうした表現は魅力的ですが、実際に自分に合うかどうかは入社してみないとわからない部分も多いのが現実です
だからこそ、入社後のミスマッチを最小限に抑えるためにも、わかりやすい数字で条件を具体化しておくことが、企業を選ぶうえで大切になります
STEP2|現在地から行きたい目的地を決める

次に、整理した現在の状況をもとに自分が叶えたい姿の条件(=転職の軸)を明確にしていきます
転職の軸|現在の状況整理をもとに自分が叶えたい姿の条件を決める
現在の状況整理と同様に、1〜10の項目を区切って箇条書きにすると分かりやすいです

以下は、当時の私が作っていた転職の軸の一例です
- 会社の規模:大手上場企業
- 業界・職種:食品業界・営業職(BtoB・BtoCどちらでも可)
- 勤務地:東京・大阪・名古屋・福岡(主要都市であればどこでも可)
- 年収:700万円(額面金額)
- 就業時間:9:00〜17:30
- 残業時間:10時間/月平均
- 年間休日:120日以上
- 有給休暇消化率:70%以上
- 福利厚生:家賃補助、時間外手当
- 職場環境:在宅OK・フレックスタイム制あり・ITシステムに投資している
このように自分の希望条件を具体的に整理しておけば、求人票に書かれている勤務条件と照らし合わせてミスマッチを防ぐことができます
応募する前に判断できるので、企業選びにもそこまで時間をかけずに取捨選択ができます
転職の軸|転職で自分が叶えたい姿の条件の深堀りをする
先ほどの転職で叶えたい姿の条件を1〜10の項目に整理しただけでは不十分です
ここから各項目ごとに、理由を言語化して深掘りしていきます
その理由は、箇条書きのままではなぜ自分はその条件を叶えたいのかが整理できていないためです
そこで、先ほどの1〜10の各項目に対して「なぜ?」を3回繰り返し、転職の軸をより明確にしていきます
考え方のコツは、今抱えている悩みや不満から出発し「それを解消するために転職で具体的に何を叶えたいのか」という視点へ広げることです
転職の軸|転職で自分が叶えたい姿の条件の深堀りをするやり方
転職で自分が叶えたい姿の条件(=転職の軸)の深堀りをするやり方について、2つの例で解説します


理由の中から、例のように太字のキーワードを中心に「なぜ自分はそう考えたのか?」と自問自答していくのがコツです
このように理由を言語化して深掘りしていくと、希望する条件の背景にある自分の考えが明確になります
これが転職の軸になり、転職の目的を考えることにもつながります
転職の軸|自分の中で譲れないものを3つピックアップする
転職で自分が叶えたい姿の条件(=転職の軸)を深掘りできたら、その中から「絶対に譲れないもの」を3つに絞り込みましょう
なぜなら、条件を多くしすぎると理想が高くなりすぎて、なかなか求人にエントリーできなくなるからです
もちろん理想はすべて叶うのが一番ですが、転職では妥協も必要になる場面があります
私自身の経験からも条件を3つに絞ったことで、あれもこれもと求人に目移りせず、本当に入社したい企業だけに絞り込むができたと感じています
転職の軸|自分の中で譲れないものを3つピックアップするやり方
自分の中で譲れないものを3つピックアップするやり方について、3つの例で解説します
1.年収:700万円(額面金額)
| パターン | 内容 |
| 転職した場合 | 成果に応じた報酬が得られる環境で、年収アップの期待ができる |
| 転職しなかった場合 | 年功序列の風土で、大幅な昇給は今後も見込めない |
2.残業時間:10時間/月平均
| パターン | 内容 |
| 転職した場合 | 今よりも残業が少なくなり、プライベートや副業の時間を確保できる |
| 転職しなかった場合 | 現状と変わらず、月平均30時間の残業が待っている |
3.職場環境:ITシステムに投資している
| パターン | 内容 |
| 転職した場合 | 企業として業務効率化に取り組み、新しい知識やスキルを習得できる |
| 転職しなかった場合 | 古いシステムを使い続け、非効率な業務でストレスが溜まる |
このように譲れない3つの条件に絞ることで、応募企業とのミスマッチを未然に防げます
また、実体験からも、入社後に多少のギャップがあっても譲れない3つの条件が満たされていれば、納得感を持って働き続けることができます
STEP3|目的地に向かって歩き出す

転職の軸が整理したところで、いよいよ自分が叶えたい姿の条件にたどり着くために歩き出していきます
転職エージェントを活用する
転職の軸をもとに転職のプロである転職エージェントを活用し、自分の条件にマッチした企業情報を収集することが大切です
転職サイトから自分で求人を探すことも可能ですが、膨大な情報の中から条件にマッチするものを見つけるのは大変です
特に転職初心者にとっては、膨大な情報の中から条件にマッチした求人を探すだけで非常に労力を使います
私自身、30代で初めての転職活動をしたとき、転職サイトでは条件にマッチした求人を探しきれなかったので、転職エージェントの活用に切り替えました
転職エージェントとの面談では、整理した転職の軸をもとに今後のキャリアについて相談でき、条件のハードルが高い場合には客観的に見直すこともできました
さらに、エージェントを利用することで時間を効率的に使え、職務経歴書の作成や面接対策といった本来注力すべき準備に集中できました
条件に合う求人を効率的に探すためにも、転職エージェントの活用は非常に有効です
また、転職エージェントとの面談前に履歴書・職務経歴書の提出を求められます
以下の記事で履歴書・職務経歴書について詳しく解説していますので参考にしてみてください
転職エージェントの活用で現実と理想のギャップを知る
転職エージェントを活用しても「なかなか条件にマッチした求人が紹介されない」と感じることがあります
その場合は、自分が設定した条件が現実と比べて高すぎないか、改めて見直すことが大切です
転職エージェントとの面談では客観的な意見を参考にしながら、理想の一部を手放す決断が必要になることもあります
なぜなら、そもそも会社は他人が作った仕組みに基づいており、そこには制度や考え方、人間関係など多くの要素が絡んでいるからです
そのため、自分の理想通りにすべて設計されている会社を見つけるのは簡単ではありません
転職は常に何かを得る代わりに、何かを手放すトレードオフにあります
現実と理想のギャップを受け入れつつも、条件が高すぎたと気がついたら都度見直していくことが大切です
おすすめ転職エージェント|JACリクルートメント

おすすめ度:★★★★★
求人数:22,670件(2025年9月現在)
特徴:外資系企業、日系大手、メガベンチャーなどハイクラス求人を強みとする転職エージェント
転職エージェントを活用しなかで特におすすめしたいのがJACリクルートメントです
2025年に創業50年を迎え、厳格な基準を満たしたうえで東証プライム市場にも上場しており、信頼性の高い転職エージェントです
JACリクルートメントは、外資系・日系大手・メガベンチャーなど、ハイクラスやミドルクラスの転職を目指す方におすすめの転職エージェントです
ハイクラス層に特化した質の高い求人を保有しており、エージェントのサポートも丁寧で信頼感があります
登録前は「ハイクラス」という言葉に尻込みしましたが、実際には自分のキャリア経験に合った求人を丁寧に紹介してもらえました
一方で、JACリクルートメントは求人の「量」より「質」を重視している印象です
既に転職サイトに複数登録していて、いっぱい求人紹介をもらうけど、逆に多すぎて求人を選べないと悩んでいる方にもJACリクルートはおすすめです
おすすめ転職エージェント|キャリアチケット

おすすめ度:★★★★☆
求人数:非公開
特徴:成長企業特化型転職エージェントサービス
私が利用した転職エージェントの中で、次におすすめしたいのがキャリアチケット転職エージェントです
キャリアチケット転職エージェントは、レバレジーズ株式会社が運営する転職エージェントです
25〜35歳の成長意欲あふれる若手人材に特化し、企業と直接つながるダイレクトリクルーティング型を採用しています
目先の転職活動だけでなく、中長期的なキャリア形成までサポートしてくれる点も大きな魅力です
「これからどんなスキルを身につけたいか」「どんなキャリアを歩みたいか」といった理想像の言語化を一緒に考え、伴走してくれるパートナーとして心強い存在になってくれます
STEP4|目的にたどり着けるか地図をチェックする

転職活動をしながら転職の軸の軌道修正をしていく
転職活動では、実際に動きながら転職の軸を軌道修正していくことが重要です
なぜなら、机上で整理した軸だけでは不十分で、実際に行動してみて初めて現実と理想のギャップに気づけるからです
そのときは、改めて転職の軸を見直し、自分が許容できる範囲の条件へと柔軟に修正していきましょう
ただし、このような軌道修正ができるのは、あらかじめ自分の中に軸のベースがあるからこそです
事前に軸を整理しておけば、冷静に状況を判断し慌てることなく対応できます
だからこそ、転職活動のスタート時点で転職の軸を作っておくことは、とても大きな意味を持ちます
転職することがゴールではない
転職活動をしていると書類選考で落ちたり、面接で不採用になったりとうまくいかないことも当然あります
うまくいかないときほど注意すべきは「転職の軸とかけ離れるけど、内定を取れたしもうここでいいや」と決めてしまうことです
転職は入社して終わりではなく、入社してからが本番です
転職することをゴールにしてしまって、転職した後に後悔しないように、現実と理想のギャップを埋められる転職活動をしていきましょう
転職活動にリスクはないけど、転職にはリスクがある
転職活動をしている間は、自分の理想と離れていると感じればいつでもやめることができます
つまり、転職活動にはリスクがないということです
一方で、転職の軸からズレた企業に入社してしまうと、やっぱり違ったと思っても引き返せません
転職には、入社したあとにリスクがあるということを必ず忘れないようにしましょう
だからこそ、内定が出たからといってすぐに決めるのではなく
- 自分が本当に叶えたい姿の条件は何か?
- この会社は自分の叶えたいことをかなえられるか?
ということを常に自分に問い続けながら転職活動をすることが重要です
まとめ
本記事では、転職の軸の考え方や作り方について解説しました
転職の軸をしっかり考えることは、転職の目的や理由に直結します
ただし、転職の軸を作って終わりではなく、転職活動を進めながら何度でも見直し微調整していくことが大切です
また、転職活動の途中でライフステージが変化したり、新しい経験を通じて価値観が変わったりすることもあります
そのようなときは、以下の4つのステップを参考に自分の軸をアップデートしてみてください
- 今の現在地を確認する|今の仕事内容・労働環境を整理・把握
- 現在地から行きたい目的地を決める|自分の叶えたい姿の状況(=転職の軸)
- 目的地に向かって歩き出す|理想にマッチする企業を探す
- 目的にたどり着けるか地図をチェックする|振り返りをしながらひたすらに行動する
変化のたびに自分自身と向き合い、転職エージェントとの対話を重ねながら歩んでいけば、必ず理想の働き方に近づいていけます
この記事が、自分の叶えたい姿の条件とマッチする会社と出会うきっかけになれば嬉しいです



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