1次・2次面接を通過し、いよいよ転職活動の終盤。最終面接まで来たのだから絶対に通過したいと思いますよね
緊張もするし、不安もあります。一方で、多くの方がその緊張や不安を自信に変えるために
- 面接でのマナー
- 質問対策
- 逆質問内容
そういった情報を最終面接までにしっかり集めて入念に準備を重ねます。転職初心者であれば、なおさら準備は入念にするかと思います
ですが、ここで見落としがちな大事なことがあります。それは「内定を得たときに、決断する覚悟ができているか」ということです
最終面接の通過だけをゴールにしてしまうと、いざ内定が出たときに迷いや不安から「返事に時間をもらう」ことになってしまいます
自分が採用担当者の立場だったとして、内定を出したときに「すぐに入社しますと即答できる人」と「もう少し考えさせてくださいと迷う人」どちらに魅力を感じるでしょうか
自分が知らないうちに他の候補者と比較され、意思表示が早かった人が先に内定を決めてしまうケースも少なくありません
実際に私は2社の最終面接を受け、1社はお見送り、もう1社からは内定をいただきました。お見送りの悔しさ、内定が出たときの喜び。その両方を経験しました
内定をいただいた1社については、内定の連絡をもらったその日のうちに承諾できるよう、面接対策だけでなく「決断する覚悟」の準備を整えていました
- 今の居心地のいい環境を手放せるか
- 新しい会社へ入社して本当に後悔しないか
- 家族や大切な人の理解は得られるているのか
このような問いに対して自分自身と向き合い、また家族とも率直に話し合いを重ねることで「迷いなく、決断できる状態」に仕上げることができました
そこでこの記事では、私自身の経験をもとに「内定承諾の決断を下すための整理の仕方・考え方」を中心に解説していきます
この記事を読むことで、最終面接の通過率を高めるだけでなく、実際に内定をもらったときに自信を持って決断できる状態をつくることができます
私自身もそうでしたが、転職初心者が陥りがちなのは面接対策ばかりに意識が向き、いざ内定が出たときに決断できず立ち止まってしまうことです
だからこそ、覚悟を整えることが、最終面接前日までにやっておくべき最も重要な準備だと、私は考えます
内定承諾の決断に向けた覚悟と事前準備の方法
最終面接でまず事前に準備すべきなのが「内定を承諾する覚悟」です
内定を得ることに意識が向いてしまい「受かってから改めて考えよう」と判断を後回しにしがちです。ですが、いざ内定の得た瞬間から企業側は早めの返答を求めてきます
時間的なプレッシャーや焦りが生まれたなかで、果たして冷静な判断ができるでしょうか?
未だ冷静な判断ができる最終面接前にこそ「この会社に本当に入社してよいのか?」という迷いや不安をしっかり整理しておくことが大切です
ここでは最終面接前に考えておきたいポイントや心構えを具体的に解説します。そして、内定承諾の決断ができる自分になるためのチェックリストもご用意しました
後悔のない決断をするための準備として、ぜひ参考にしてください
家族や大切な人の理解を得ておく
「なぜ最初にこれ?」と思うかもしれませんが、転職は自分だけでなく周囲の人の生活にも影響を及ぼします
たとえば、家族と引っ越しをして住環境が変化し、新しい人間関係への適応や経済的な影響といったすべて自分ひとりでは判断できません
最も心の支えになるのが家族や大切な人の存在です。だからこそ最終面接の前日までにはしっかり話し合いの時間を作ることが大切です
自分の選択に対して「いってこい」と背中を押してもらえのであれば、迷いなく内定を承諾できます
私自身は、家族の「応援する」という言葉が最後の決め手となり、内定をいただいたその日のうちに入社の意思を伝えました
内定を得てから返答すまでの時間は意外とありません。ですので、内定後にいきなり打ち明けるのはトラブルのもとにもなりかねませんので、余裕がある今話し合いの時間を作りましょう
本当にこの会社で後悔しないかを考える
入社後の働き方や環境について、あらためて冷静に考えてみてください
- 自分の転職理由や軸に本当に当てはまっているか
- 年収や待遇などの条件に満足できるか
- 入社後の業務内容にギャップはないか
給与や待遇だけに惹かれて即決し、いざ働いてみたら「こんなはずじゃなかった」と後悔するケースは少なくありません
気になることや懸念点がある場合は、最終面接の逆質問の場で直接確認することもできます。入社後のミスマッチを避けるためにも、疑問や不安は面接前にリストアップしておくと安心です
選考を同時にすすめている企業をどうするか考える
転職活動では、複数の企業の選考が同時に進んでいくケースがよくあります
たとえば「1社から内定の連絡が届き、返答期限は1週間後。もう1社の最終面接がちょうどその1週間後に予定されている」そんな状況に直面したとき、あなたならどうしますか?
当たり前ですが、内定を得ても入社できるのは1社のみです。この問にしっかり答えられる方は大丈夫ですが、一瞬でも迷ったのであれば、最終面接前日に考えておくことをおすすめします
自分にとって優先順位が高い企業をしっかり決めておくことが重要です
つい考えてしまうのが「もう1社の最終面接が終わってから判断したい」という様子見の選択です。一方で、その裏では企業も同時に選考を進めていることを忘れてはいけません
仮に別の候補者が即答で内定承諾の返事をした場合、あなたに出ていた内定が撤回されることもあり得ますので「あの時に即断即決しておけばよかった」と思っても手遅れです
こうした後悔を避けるためにも、選考が並行している段階で以下の3点を明確にしておくことが大事です
- なぜ、この企業が第一志望なのか?
- なぜ、この企業でなければならないのか?
- もし、優先順位2位や3位の企業から先に内定が出たらどうするか?
これらを事前に整理しておけば、内定を得たときにも迷わず決断できます。ぜひ、最終面接前に一度立ち止まり、あなたにとっての「優先順位」を明確にしておいてください
今の会社を離れる覚悟はできているか
転職を決意するうえで、もう一つ大切なのが「今の会社を離れる覚悟ができているか」ということです
慣れ親しんだ業務、築いてきた人間関係、そつなくこなせる日々の仕事。そうした「居心地のよさ」を手放す覚悟ができているか、自分に問いかけてみてください
私自身もっとも悩んだのはこの部分でした。仲の良かった上司や先輩・後輩、気心の知れた仲間と仕事ができる安心感。そして、何の不自由もなく日々の業務を回せている自分
その「安定した自分」を手放すことに大きな迷いがありました
なぜ、迷ったのか?
それは「変化することへの不安」だったと思います
- 新しい職場に馴染めるか?
- 新しい環境で自分の経験は通用するのか?
- またいちから人間関係を築けるか?
そんな不安が頭をよぎり、なかなか決断できなかったことを覚えています。しかし、いま振り返ると「思い切って変化を受け入れてよかった」と心から思います
前職での経験が新しい職場で意外と役立ったり、自分にとって当たり前だったスキルが周囲では貴重な強みになったりと新しい環境に飛び込んでみて、はじめて気づくことも多くありました
もちろん一歩踏み出すには大きな勇気が必要です。特に、初めての転職であればなおさらです
だからこそ、迷ったときにはこんなふうに自分に問いかけてみてください。
- 「あのとき思い切ってチャレンジしておけば」と後悔しないか?
- 人生一度きり、安定を取った自分に後悔しないか?
- 新しい可能性を自分で閉ざしてしまっていいのか?
これは私が実際に自分自身へ問い続けていた言葉です。最終的には「人生に悔いを残したくない」という想いで、私は一歩を踏み出しました
もし悩んだときは、この考え方を参考にしてみてください
社内の引き継ぎのシミュレーションはできているか
ここでお伝えしたいのは、円満退職を見据えて、退職日までのスケジュールを逆算して考えておくことの重要性です
私がある企業の最終面接を受けたときに、面接官から「もし内定が出たら来月から入社していただけますか?」と聞かれたことがありました
この背景には、当時の求人票に「欠員補充のため」と明記されていたことから、即戦力となる人材をできるだけ早く迎え入れたいという企業側の事情があったと考えます
こうした問いを突然投げかけられたとき、どう感じるでしょうか?
- 「いやいや引き継ぎもあるし、来月はさすがに無理です」と慌てるか
- 「今の業務内容と残りの業務量を整理しておけば調整できる」と冷静に判断できるか
この違いを生むのは、社内の引き継ぎのシミュレーションができているかどうかです。今の自分の業務を整理し、面接の場で聞かれても慌てないように準備をしておきましょう
実際に無理な場合は、事情を説明して入社日の調整をお願いするのもひとつです。ただ、仮に企業の入社予定日に合わせる必要が出てきても、事前に計画を立てておけば柔軟な対応は可能になります
そして、特に見落としがちなのが「有給消化のスケジュール」です
たとえば有給が20日ある場合、すべて消化するには約1か月分の勤務日が引き継ぎに使えなくなります。
その分も見越して、退職までにどこまで業務を進め、誰にどう引き継ぐのかを逆算しておく必要があります
- まだ余裕がある今のうちに入社日と退職日のスケジュールを立てておく
- 有給日数を含めた逆算スケジュールを作っておく
- 「入社予定日に即答できるかどうか」はスケジュール準備の有無で大きく変わる
転職は自分だけの問題ではなく、会社や周囲の人にも関わることですので、丁寧な引き継ぎができるよう事前にスケジュールを立てて置くことが重要です
最終面接の事前準備チェックリスト
最終面接を前に「もし内定が出たら本当に入社の決断ができるか?」を事前に整理しておくことがとても大切です
このチェックリストは、最終面接を受ける企業から内定をもらった想定で取り組んでみてください
以下の5つの項目に分けて、全16問の設問を用意しました。自己判定の目安も記載していますのであわせて確認してください
- 転職先への理解度と納得度:4問
- 転職の軸と目的:4問
- 大切な人からの理解:3問
- 現職との関係整理:4問
- 未来の自分:1問
- 「はい」が15個以上:即答OK!心の準備はできています
- 12〜14個:あと一歩!気になる点を振り返ってみましょう
- 11個以下:立ち止まって自分の気持ちを整理する時間を取りましょう
補足として「満点を取らなきゃ」と思う必要はありません。ただし「まあいいか」と流した小さな迷いいがある項目は、あらためて深堀りすることをおすすめします
内定後に「やっぱり違ったかも」と思っても時間は巻き戻せません。だからこそ、今このタイミングで一度立ち止まり、自分の本音と向き合う時間をつくってみてください
転職先への理解度と納得度

まずは転職先の募集要項・勤務条件について、改めて自分の中でしっかりと整理できているか確認しましょう
特に重要なのは、給与や勤務条件などの「生活に直結する部分」です。曖昧な理解のまま進めてしまうと、入社後に「こんなはずじゃなかった」と後悔する原因になりかねません
- 勤務地や転勤の有無
- 勤務時間、平均残業時間
- 給与や賞与、福利厚生
- 年間休日、有給休暇取得率
- リモートワークや副業の可否
これらについて不明点や引っかかっていることがないか、もう一度チェックしてみてください。事前に把握と納得をしておくことで、内定をもらったときに迷うことなく決断できます
転職の軸と目的

次に転職の軸と目的について、改めて自分の中で整理できているかを確認しましょう
特に大切なのは、転職によって何を実現したいのかという目的が明確であり、その実現が転職先で本当に叶えられるかを見極めることです
ここがしっかり固まっていれば、入社後に自分の選択に自信を持てます。逆に軸や目的が曖昧なまま最終面接を迎えてしまっている場合は、今一度以下のような点で振り返ってみてください
- 自分はなぜ転職しようとしているのか?
- 転職によって実現したい働き方は何か?
- 転職先の会社でそれが実現できそうか?
内定をもらったあとに迷わないためにも、今ここで立ち止まって考え直すことが後悔しない選択につながります
もう少し詳しく振り返りたいという方には、以下の記事がおすすめです
「転職軸マップ作り」として今の自分の状況を振り返りながら整理をする方法を具体的にまとめています。ぜひ参考にしてみてください
大切な人からの理解

次に確認したいのは、家族やパートナーなど大切な人の理解を得られているかどうかです。転職は自分だけの問題ではなく、周囲の生活にも影響を及ぼす大きな決断になります
たとえば、お子さんがいるご家庭では、転職によって勤務地が変わり、通学エリアや学校を変えざるを得ないケースもあります。これは家族にとっても大きなライフイベントです
だからこそ、最終面接に臨む前にしっかりと話し合いの時間を設けることが重要です
前のチェック項目であげた「転職先への理解度」や「転職の軸と目的」が整理できていれば、具体的な説明ができ、大切な人の理解も得やすくなると思います
現職との関係整理

つづいて確認したいのは、現職の状況整理と今の居心地のいい環境から離れる覚悟ができているかという点です
今の職場では人間関係が良く、業務の慣れといった「居心地のよさ」がある場合、転職を決断するうえで悩みのタネとなります
そのため、いざ退職の話を切り出したときに、会社側から待遇やポジションの改善といった「引き留めの提案」を受けるかもしれません
その際に、もしその提案が自分の転職の軸や目的に合致するものであれば迷っても構いません
ただし、そうした提案が来る可能性があると予想できるなら、事前に自分の中で「迷う余地があるのか、それともないのか」を整理しておくことが重要です
そしてもう一つ見落としがちなのが、社内外の引き継ぎのシミュレーションです
円満退社に向けて、退職までの残された期間で「何を、いつまでに、どのように引き継ぐか」を逆算しながら考えておくと、内定後のやり取りや入社日の調整もスムーズになります
未来の自分

最後に確認したいのは、転職先で働く自分の姿を思い描いたとき「楽しみ」「ワクワク感」があるかどうかです
もちろん、入社してみないと分からないことも多いのは事実です
ですが、1次面接・2次面接を通して、面接官の人柄や雰囲気から「この環境で働きたい」と感じられたかを思い出してみてください
もし、新しい環境に飛び込むことへの「楽しみ」「挑戦したい」という気持ちが湧いてくるのであれば、それは転職する理由として大きなエネルギーになります
面接を通じての印象や募集要項といった資料を振り返りながら、未来の自分に期待できるかどうかをしっかり確認してみましょう
最終面接の対策と準備について
ここからは最終面接の通過率を高めるための準備と考え方について、私自身の実体験をもとに解説します
また、1次面接の対策と準備を先に知りたいという方は、以下の記事をご覧ください。
※ご参考までに、私が面接を受けた企業では「1次面接 → 最終面接」でした。そのため以下の記事では、2次面接には触れておりません。あらかじめご了承ください
1次・2次面接で話した内容と「一貫性」をもたせる
最終面接では、会社役員や経営層が面接官を務めることが多いです。これまでの面接内容を共有されたうえで、職務経歴書に沿って質問がされていきます
したがって
- これまで話した内容と矛盾がないか
- 話す内容の軸がぶれていないか
は重要なポイントとなることも理解をしておくがいいです
「最終面接だから新しいことをアピールしないと」と意識しすぎるあまり、これまでの面接で話した内容とズレてしまうと、かえってマイナスに働く可能性があります
これまで伝えてきた軸やエピソードと一貫性があることが、最終面接では特に重要です
また、このタイミングで改めて書類(履歴書・職務経歴書)確認と1次・2次面接の振り返りをしておきましょう。話す内容と書いてある内容がズレていれば、面接官に違和感を与えてしまいます
面接準備にあわせて書類もあらためて見直しておきたいという方は、以下の記事も参考にしてみてください
経営目線で「会社への貢献度」を問われる
最終面接では、現場目線ではなく経営目線での質問が中心になります。つまり、自分が入社したら会社組織にどんな影響を与えられるのか、どんな変化を起こしてくれるのかということです
- 自社の売上や利益に対する課題を認識したうえで、より良くするために起こした行動経験
- 他部署を巻き込んだ経験や社内調整で苦労した経験
- 入社後、今の経験を活かして、どのように会社組織やチームに貢献していきたいか
- メンバー1人ひとりの強みを引き出し、チームの成果を最大化させるための自分の考え
上記のように、私が実際に最終面接で受けた2社ともに「あなたが会社に入社してどう貢献してくれるのか?」という観点で、質問の内容を変えながら永遠に聞かれたことを覚えています
1次・2次面接で話した内容を振り返るとともに「自分がこの会社に入社してどう貢献するか」を語れるようにしておくことが重要です
最終面接に通過しても「お見送りになった」話し
ここでお伝えしたいことは「最終面接で落とされるときは落とされる」ということです
企業は、最終面接で複数の候補者をふるいにかけています。たとえ「募集人数1名」でも、他に候補者がいて自分が比較対象になっていることを忘れてはいけません
実際に私もある企業で最終面接まで進みましたが、同じタイミングで面接を受けた別の候補者と比較されてお見送りとなりました
以下は当時エージェント経由で届いた実際のメールです
誠に残念ではございますが、ご面接結果はお見送りとなりました。
他候補者の方で業界親和性と経験豊富な方がいらっしゃったとのことです。
お力になることが出来ずに申し訳ございません。
引き続き、ご希望にマッチする求人がございましたらご紹介させていただければ幸いです。
これが現実です
まとめ
最終面接の準備や対策は、もちろん重要で優先順位も高いことは間違いありません
ですが、それ以上に大切なのは「内定をもらった後、自分は本当に承諾の決断ができるか?」をあらかじめ考えておくことです
たとえ最終面接を通過して内定をいただいたとしても、短い返答期限のなかで焦って決断を迫られる可能性があります
そうなってしまうと、本来事前に整理しておくべきだったことを後回しにしてしまい、結果として後悔につながるリスクもあります
この記事では、最終面接の準備や対策に加えて「内定承諾の覚悟」を整えるための事前準備チェックリストもご紹介しました
ぜひ活用して、自分のなかでしっかり納得ができるような状態にしていただければと思います。本当に入社したいと思える会社から内定をもらえることを心から願っています
最後までお読みいただき、ありがとうございました